適地適作 -Right Crop for Right Land-
私は農薬や化学肥料に 頼らない有機野菜を、いつか皆さんに届けたいという想いが起農以来ありました。
ただ、 有機栽培では経営は難しいと周りの方たちから言われてきました 。実際に有機栽培をしてみると、虫が作物を食べたり病気を運んできたりして野菜が売り物にならない、契約数量を栽培するには有機肥料では収量が足りない、また生育も遅いので化学肥料を使ってしまう等、確かに有機栽培では経営が難しいということを実感しました。
ただ有機への挑戦は諦めず、なぜ有機栽培は難しいのか追及していく中、もちろん栽培技術をあげること、また土作りや肥料等について勉強することは重要なのですが、それ以前に自然に抵抗している環境で栽培することが一番の問題だと思いました。
野菜にはそれぞれ原産地というものがあります。私達に故郷があるように野菜にも故郷があり、そこでは基本野生で自生していました。放っておいても勝手に生育しているのです。もちろん化学肥料、農薬などは使わずに。
故郷に帰るとリラックスできストレスを感じることが少ないと思います。野菜も同じでそういうストレスのない環境で育てることが有機栽培では特に重要だと感じました。
「適地適作 」、B T FARM では出来る限りそれぞれの土地、季節に合う作物をつくることを基本とし、農薬ではなく自然の力を活かしストレスなく野菜が育つ環境で、有機栽培に挑戦し続けたいと思います。
BLOF理論
有機栽培を勉強している中2020年にBLOF理論と出会いました。
作物にとってストレスの少ない環境で栽培することと同じくらい大事なことが土を作ることです。どのように土づくりをすれば有機で良い作物を作れるか勉強しているとき、有機栽培に力をいれている北本市の勉強会で紹介してもらったのがBLOF理論です。
BLOF理論は、「細胞を作るアミノ酸」「生命維持に不可欠なミネラル」「生育・施肥を支える土壌」の3つの分野に分けて、科学的・論理的に営農していく有機栽培技術です。
これまでの農業はどちらかというとデータ重視ではなく熟練の経験や勘で栽培するケースが多く、私のようにまだまだ経験が浅い就農者だと良い作物を作るまでに時間がかかってしまいます。ただBLOF理論ではデータを見て、数値をみてこの圃場では何の成分が不足しているか等を判断できるので、経験や勘に頼らず土づくりを行えます。
土壌の状態を「見える化」できるBLOF理論と出会い、今B.T.FARMでは自信をもって有機栽培に取り組んでいます。